東京都杉並区阿佐谷南1-9-2 GOOD 2階・3階

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心不全について

 心臓は血液を全身に送る『ポンプ』の働きをしています。その心臓のポンプとしての機能を失った状態を『心臓のポンプ不全』、すなわち『心不全』といいます。そのため心不全は心臓から全身に送る血液量が減る『循環血流量の減少』、また心臓に戻ってくる血液が少なくなった結果、肺動脈や静脈に血液がうっ帯(うっ血)し足や顔が浮腫(むく)んだり肺に水が溜まってしまいます。

  • 心臓の多くの病気(心筋梗塞・狭心症・心筋症・心筋炎・不整脈・高血圧など)は心不全の原因になります。
  • また心不全の多くは最初は症状がなく、数日または数カ月の間に徐々に息切れや疲労感がみられるようになります。
  • 心機能の診察には採血・心電図・レントゲン・心臓超音波検査(心エコー)などの検査を行います。
  • 心不全に対する治療は心不全の原因となった疾患を確認し、薬剤や手術などで治療を行います。

収縮機能不全と拡張機能不全

 心不全は主に収縮機能不全と拡張機能不全の2つのタイプに分けられます(両方の機能不全がみられる場合もあります)。

収縮機能不全とは

 収縮機能不全とは、心臓の収縮力が弱まり、心臓に戻ってくる血液に見合う量の血液を送り出すことができなくなり、その結果心室内に多量の血液が貯留します。さらに血液は心臓だけでなく、肺や静脈内にもたまった結果胸水や手足や顔が浮腫(むく)んでしまいます。

拡張機能不全とは

 拡張機能不全とは、心臓が硬くなり収縮後十分に心臓が広がらなくなり、血液を取り込む能力が低下してしまうことをいいます。しかし多くの場合心臓の収縮能力は正常であるため初めは大きな問題となりませんが、最終的には収縮機能不全も認めるようになってしまい、肺や静脈内にもたまった結果胸水や手足や顔が浮腫(むく)んでしまいます。

原因

 心臓に直接的または間接的に影響を及ぼす疾患は、いずれも心不全の原因となります。急速に心不全を起こす疾患もあれば、何年も後に心不全を起こす疾患もあります。収縮機能不全を起こす疾患と拡張機能不全を起こす疾患があり、さらに高血圧や心臓弁障害などは両方のタイプの機能不全を起こします。

収縮機能低下をおこす主な疾患

 冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞など)、弁膜症(大動脈弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症など)、心筋症(アルコール性心筋症・拡張型心筋症など)、心筋炎(ウイルス性心筋炎など)、不整脈(心室細動・心室頻拍・心房細動・洞不全症候群など)など。

拡張機能低下をおこす主な疾患

 高血圧症、糖尿病、弁膜症(大動脈弁閉鎖不全症など)、心筋症(高血圧性心疾患・肥大型心筋症など)、不整脈(心室細動・心室頻拍・心房細動・洞不全症候群など)、先天性心疾患、慢性腎臓病、睡眠時無呼吸症候群 など。

治療

 心不全の治療には、心不全の原因となる疾患の治療、心不全治療薬(利尿剤・血管拡張剤・強心剤など)生活習慣の見直しが必要となります。

動いた時の息切れが強くなってきた方や足などのむくみを自覚される方、健診で心拡大や高血圧などの生活習慣病、またご家族様から睡眠時のいびきなど指摘されご心配な方はお気軽にご相談ください。