5リンを控える
動画で解説
リンの種類によって、体内への吸収率が異なりますので、注意することでリンはコントロールできます。
是非ご覧ください。
腎不全患者さんではリンを尿として体外に出す力が弱くなり、体内にリンが蓄積されやすくなります。
また、腎不全患者さんはカルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDの働きが悪くなるため、腸におけるカルシウムの吸収が悪く、血液中のカルシウム濃度が下がってしまいます。
そのため、カルシウムを補給しようと副甲状腺でつくられる副甲状腺ホルモン(PTH)が大量に分泌され、骨を溶かして血液中のカルシウム濃度を上げようとします。この状態が続くと骨がもろくなり骨折しやすくなったり、関節にカルシウムが沈着して痛くなったりします。他にも動脈硬化、だるさ、かゆみなど様々な症状が起こることがあります。
以上の状態にならないように食品中のリンの摂取量を調節する必要があります。
『大正富山医薬株式会社 透析導入マニュアル(2014年版)』より抜粋
【リン制限のポイント】
- 過度のたんぱく質摂取をしない。(一人前の量であれば問題ないです。)
- カルシウムが多く含まれている食品(乳製品・洋菓子・小魚)や種実類には、リンも多く含まれているため摂りすぎや摂取頻度に注意が必要です。
- 加工食品には、添加物としてリン酸化合物が含まれているため可能な範囲で加工食品の摂取は控え新鮮な食品で調理を行うようにしましょう。(塩分も多いです。)
- リン吸着剤の内服はタイミングを逃さずに行う。
(食べ物が胃の中にあるうちに食べ物と混ざり、リンの体への吸収を防いでくれます。)
※「リン値が高くなるため魚や肉は食べていません」という方が時々いますが、動物性蛋白質は栄養価が高く、不足すると低栄養状態となる原因となります。この状態が長引くと抵抗力が落ち食欲低下や体調不良になりやすくなってしまう可能性が高くなってしまうため必要なたんぱく質量は摂取して頂きたいです。
患者さん個人によって必要なたんぱく質量は異なるため、個人に合わせた栄養指導を心がけております。