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副甲状腺ホルモン(PTH)

副甲状腺ホルモン(PTH)

 PTHというのは84個のアミノ酸からなるペプチドホルモンです。カルシウム(Ca)、リン(P)を調節する働きを持ち、血清Pが高くなると、PTHが分泌されて尿細管におけるPの再吸収を低下させ、尿中へのP排泄を増加させる反応が生じる。また、低Ca血症が持続するとPTHの分泌が盛んになり、骨を溶かしてCaを一定の値に保とうとするが、そのために骨はもろくなる。PTH分泌の亢進により骨が溶けると血清P値も上昇し、PTHを増やすという悪循環に陥る。また、Ca、Pがともに高い状態が続くと「異所性石灰化」がおこり、関節の周囲や動脈、肺などにリン酸Caが沈着してしまいます。

 PTHは、これまで「intact-PTH(インタクトPTH)」の測定が用いられていましたが、これは、PTHの全長(1-84)《アミノ酸が1から84まであり。1個 分子量は110-120ダルトン 分子量が 約9500D(ダルトン)》を検出すると考えられ、現在までこの測定法が主流になっていましたが、1998年に本来のPTH(1-84)以外に他の6種類のフラグメントも同時に測定してしまっていることが明らかとなり厳密なPTHでないことが発表されました。そこで、1999年には本当に完全な(1-84)PTHを測定する方法が確立され、「whole-PTH(ホールPTH)」と呼ばれるようになりました。この 「whole-PTH」は、透析患者では、「intact-PTH」の約7割程度と常に低くなるといわれており、(whole PTH)×1.7 = i-PTHで計算されます。

「whole-PTH」の基準値は「9~39pg/mL」と言われておりますが、

透析患者の目標値は「35~150pg/mL以下

副甲状腺から分泌されるホルモンで低カルシウム血症が続くと多量に分泌され骨からカルシウムやリンが溶け出し、骨がもろくなる。
初期には内服ビタミンD剤にてホールPTH値は改善する。
長期透析にて二次性副甲状腺機能亢進症を合併すると静注用ビタミンD剤やレグパラ内服等の治療が必要となる。
最近は少なくなりましたが、更に進行すると手術にて副甲状腺を摘出することがあります。