自宅で行う血液透析
家庭透析(HHD)とは、医療施設との連携・管理のもと自宅にて本人と介助者が透析機器の立ち上げからダイアライザーの組立・プライミング、穿刺(患者本人)、後片付けを行うものです。また、当院に月一回の受診が必要です。
家庭透析を行うためには、まず必ず介助者が居ること、電気・給排水設備の工事が可能であること、機器類の設置や物品スペースがあること、自己管理能力などいくつかの条件をクリアする必要があります。また、家庭透析の導入教育訓練施設ごとに適応条件が設けられています。
当院の取り組み
当院での家庭透析は、1999年名古屋の新生会第一病院からの依頼で、3名の家庭透析患者の保守管理業務を引き継ぐことから始まりました。現在では、家庭透析の導入教育訓練施設と連携を取り、教育期間終了に合わせ、患者宅を訪問し設備工事(患者負担)や透析機器の設置等を行います。また、家庭透析導入前に、当院において手技確認のため2〜3回ほど実地訓練を行ってから自宅での治療が始まります。その後、装置の保守管理や看護訪問などを定期的に担当スタッフが実施します。
トラブル時の対応
透析中のトラブルに対しては、まず本人と介助者で対処してもらいます。しかし、トラブルがうまく解消できない場合には、当院独自のネットワークシステム(図-1)により、装置の運転状況や血圧などの情報が、リアルタイムに管理パソコン上で見ることができ、的確なアドバイスと対応が可能となりますので、安心して治療を行うことができます。
独自のネットワーク構成
家庭透析の特徴
長 所
- 透析スケジュールを個人の生活スタイルに合わせることができ、時間的制約が少なくなります。
- 透析スケジュールを隔日透析や連日透析にできることや一回の透析時間を長時間透析にすることができます。
- 透析時間を十分確保することで、合併症の発生リスクが低くなり、良好な体調を維持することができます。
- 施設透析に比べ、家族との接する時間が増えます。
短 所
- 教育期間(1〜3ヶ月間)は、必ず介助者と共に参加する必要があります。
- 介助者は、透析中必ず家にいる必要があります。
- トラブル時の対応は、本人と介助者で対処しなければなりません。